配信者の間で募る不安
動画配信者を狙った連続殺人事件が続いており、警察は事件の関連性を調査している。被害者の多くが配信活動を行っていたことから、犯人が何らかの意図を持ってターゲットを選んでいる可能性が高いとみられているが、捜査は難航している。

相次ぐ事件の詳細
最初の事件は、都内の住宅地で発生。配信活動を行っていた井上真斗さん（28）が自宅で遺体となって発見された。その1週間後、別の区で配信者の吉田喜代さん（24）が襲われる事件が発生し、さらに今週、水田正平さん（31）の遺体が都内のマンションから発見された。いずれの事件も、被害者の配信内容やSNSの投稿から居住地や日常の行動が特定されやすい状態にあったとされる。

配信者コミュニティでの動揺
この事件を受け、動画配信者の間では「いつ自分が狙われるかわからない」という不安が広がっている。一部では、配信内容の公開範囲を縮小したり、配信を一時休止する動きも見られる。SNS上では、「配信者だけを狙う理由は何なのか」「特定されるリスクについてもっと考えるべきだ」といった声が上がっている。

犯人像と捜査の難航
警察は、これらの事件が同一犯によるものと見て、配信内容や被害者の交友関係を精査している。しかし、現場に残された物証が少なく、犯人の足取りを掴むのは困難を極めている。また、配信者が狙われる背景について、犯人が配信に対して強い敵意や個人的な動機を持っている可能性が指摘されている。

安全対策への意識の高まり
専門家は、「配信者は、視聴者に向けて自分の日常を公開する性質上、個人情報が特定されるリスクが高い」と警鐘を鳴らす。特に、日常的な行動や場所が分かるような投稿には細心の注意が必要だとされる。また、配信プラットフォーム側にも、利用者が安全に活動できる環境を整えるための対策が求められている。

事件の早期解決が望まれる中、配信者や視聴者を含む全てのネット利用者が、オンライン上での情報発信について改めて考える時期に来ている。

情報提供のお願い
警視庁は事件に関する目撃情報や不審者に関する情報提供を求めている。提供された情報は捜査の重要な手がかりとなる可能性がある。